コロナ禍における音楽活動
平井京子
今年(2021年)に入ってから、ほとんど発表の場は延期か中止となりました。
自分自身での創作は発表のあるなしに関わらず、続けています。はじめての弦楽四重奏作品を天から与えられた時間を使い、書いてみました。初演は未定ですが、ハンガリーの弦楽四重奏のメンバーが時間がとれるからと言って、譜面を見てほぼ初見で音だしをして録音を送って下さいました。大変勉強になりました。このようなやりとりはコロナ以前では考えられなかったことかも知れません。
また、新作ピアノ作品「東の風」は、長唄三味線に良く出て来る「手」(旋律)を使って書いてみました。三味線の言いしれぬ粋な音色と、ピアノのスマートな音との違いは面白く、いろいろな和声を付けて楽しみながら書きました。日本の音楽に対する興味は尽きません。たまたま送った在仏のピアニストが、来年春のユーチューブコンサートで初演して下さることになり、このような初演も新しい形だなと思います。
コロナ禍で、身近な家族を失なったピアニストが私の周りで数名いらっしゃり、短いワルツをそっと献呈しています。
いつも祈りと共にありたいと願います。
平井京子 作曲家
http://kyokohirai.com